インナーチャイルドを癒すとは
インナーチャイルドを癒しましょう、といいますが、
癒せば問題が解決するのでしょうか。
実は、癒すだけでは一時しのぎになります。
それはなぜでしょうか?
インナーチャイルドは子供の頃に作られた思い
私達はおよそ6才ごろまでに、ある程度決められた思考パターンを作ると言われています。
その思考パターンは、私達の日常の思考や感情、 行動の基となっているものです。
コンピューターでいうところのOS=オペレーションシステムとして生涯動き続けます。
木でいうと、幹や根っこの部分になりますので、
とても大事な部分が幼少期に作られていることになります。
さて、この心のOSは様々な思い(広義の感情、情動)でできていて、
主に身近な家族への思いでできています。
それがどこにあるかというと、
脳の古い部分=<大脳辺縁系>という所にあります。
ここは、喜び、悲しみ、恐れ、怒り、驚きといった
基本的な感情(1次的情動)に反応するところです。
それに対して、より社会的な感情(2次的情動)は、
脳の比較的新しい部分である<大脳新皮質>にあると言われています。
今の私たちは、
脳の古い部分で「怒り」を感じて、
「怒っちゃだめだ」と脳の新しい部分で制御する
というイメージですね。
インナーチャイルドの問題
私達は、小さい頃の未熟な脳で様々な事を認知し、
個々の思考パターン (思考のくせ) を持って生きています。
それは、未熟なOSの上に、大人の脳が動いているようなものです。
なので、大人になった今も刺激されたら感情で反応してしまいます。
時には感情のコントロールがきかなくなり、問題を起こします。
親との関係、兄弟との関係、友達との関係、上司との関係
果ては、能力がつかない、伸びない、病気を作る などなど
こうしてネガティブな悪循環に入ってくると、
更にたくさんの恐怖を作り出します。
~しなければならないと、強迫観念に駆られたり、
実際に恐怖症や中毒症状を表すようになり、
ますます心が不自由になっていくのです。
同じような問題が繰り返し起こり、
ことごとく人生に影を落とします。
もちろん自分ではなかなか気づくことができません。
それ故に、なぜ人生がうまくいかないのかわからず、
迷路の中に入り込んでしまうのです。
そこから抜け出すには
インナーチャイルドを潜在意識から
紐解いていく必要があるのです。
インナーチャイルドの(好ましくない)特徴
2,3歳の小さな子供を想像してみてください。
ーお母さんと一緒に、お兄ちゃんのお遊戯会に来ています。
みんな静かにして観ています。
そして、その子はお母さんに、こう言います。
C「お母さん、一緒に遊ぼう」
母「今はお兄ちゃんを観るのよ、後でね」
C「いやだ、今すぐ遊びたい」
C「ぎゃあ~なんで遊んでくれないのよお」
母「静かにしなさい」
C「お母さんはひどい、悪者だ」
C「お母さんは私よりお兄ちゃんの方が好きなんだ」
C「ずっと恨んでやる」「ぎゃあ~」
会場(ザワザワ・・・)
・・・こんな感じです。(汗)
要約すると、わがままで、自己中、
自分の思った通りの反応が得られないと、
怒って、相手を攻撃したり、すねたりします。
それでも相手が思い通りにならないと相手を恨み、
自分が被害者となって同情を得ようとする。
狡猾でもあります。
未熟な脳での思考しかないので、
とても視野が狭い認識しかありません(子供のまんま)
そんな、いつまでも成長しない子供のままで、
誰の心の中にも住んでいるのが、
インナーチャイルド(内なる子供)です。
インナーチャイルドの特徴(好ましい編)
以上は(好ましくない)特徴をご紹介しましたが、
(好ましい特徴)もちゃんとあります。
欲望が強い!好奇心が旺盛! これも子供の特徴そのままです。
欲望の強さは悪い事ではありません。
未来を作っていくのに、欲望がないと、前に進めませんから。
むしろ、それを良くない事だといって強く抑制して問題を生じます。
欲望は生きるエネルギー。
「一番になりたい!」「プリキュアになりたい!」ヽ(^。^)ノ
たとえ、「見返してやりたい!」と思っても、
それも立派な生きるエネルギー。
そういった子供の頃に欲した「インナーチャイルドの思い」を否定せずに感じ取ってみてください。
インナーチャイルドは癒せば良いのか
では、問題を生じるインナーチャイルドについては、
癒せば全て上手くいくのでしょうか。
インナーチャイルドの思いは大抵強い感情を伴うので、
癒される事だけでも辛さは軽減されるでしょう。
しかし、癒されるだけでは、こころの「対処療法」に過ぎません。
根本のところの「思考パターン」に変化が無いからです。
その為に、また同じような事を繰り返してしまう事になります。
ではどうすれば良いか。
インナーチャイルドの思いに寄り添いつつ、
「思考パターン」が作られた原因を潜在意識の中にしっかりと見つけていきます。
そしてインナーチャイルドに勘違いを教えてあげるのです。
まさに、こころの「原因療法」と言えるかもしれません。
「傷ついていない」インナーチャイルドもいる
癒す必要のないインナーチャイルドもいるのは
傷ついていないインナーチャイルドもいるからです。
例えば、今、大人の私の能力が増えず、
失敗ばかりしているとして、
今の自分は打ちひしがれているので、
「癒されたい」
と思うかもしれません。
でも、インナーチャイルドはというと、
そうでもなかったりします。
「親が全てお膳立てをして、やってくれた為に
能力が伸びなかった」
というような場合は、トラウマではありませんね。
インナーチャイルドは、単に知らなかっただけなのです。
というように、
インナーチャイルドは全て傷ついている、(=トラウマ)
とは限らないのです。
いかがでしょう。インナーチャイルドへの理解が少し深まったでしょうか。
またの機会に取り上げて行こうと思います。